18世紀頃の革装本の修復


書名:WERCKEN DER GENEES-KONSTE

出版年:1672年 Amsterdam

製本仕様:茶色総革装、綴じつけ製本、麻繊維支持体の背バンド綴じ、綴じ見返し

蔵者:個人蔵

 

修復前の状態

背表紙革が欠損。天地のはなぎれが欠損。裏側見返しが表紙ボードから剥離。

ページ破損及び部分欠損多数。過去に行なわれた修復が不適切なため、裏側表紙ボードの接続位置や見返しノドに悪い影響を与えていた。

 

作業内容

ドライクリーニング。ページ及び見返し用紙の破損や部分欠損を和紙で修理。

裏側表紙ボードの接続位置を修正。はなぎれを亜麻糸で編み直した。

タンニン鞣し子牛革を染色して本の背に貼り背表紙とした。

著者名・タイトルを背表紙に金箔押し。

表紙角部の破損を染色した和紙で修復。剥離してた裏側見返しを貼り戻した。

 

修復前


本文の補修/修復後


使用材料:子牛革、楮和紙各種、麻ひも、麻糸、金箔、生麩糊、セルロース糊、保革油、保革コーティング剤

 

修復:岡本幸治