『新字鑑』 の修復


資料名:新字鑑

著者名:鹽谷 溫(シホノヤ オン) 

出版社:株式会社 弘道館 

刊行年:昭和14年(1943)

製本仕様 : 総クロス装のくるみ表紙製本、糸・機械綴じ

所蔵 : 個人蔵

 

劣化・破損状態

表紙は、おもて・うらとも三方の小口が傷み、折れ痕や表装材の色の抜けているところあり。うら表紙はノドから全切断。

うら見返し効き紙(部首索引の一部)が欠落していて、綴じのゆるみ箇所多数、切断箇所もあり。

本文紙は折れ・破れ多数。外れている折丁もあり。

 

作業内容

依頼主からの要望が、「たまの使用にも耐えられるように、しっかりと直してほしい」とのことだったので、綴じを解体し、傷んでいた本文紙や折丁の背の補修をして綴じ直し、新規の背の表装材で表紙張りをした。 

欠落していたうら見返しの効き紙は、同じ内容と思われるおもて見返しの遊び紙をコピーして、貼り戻した。

 

 修復前 表表紙と背表紙

修復前 綴じ糸の切断


 修復後 表表紙と背表紙

 修復後 本文紙


 

使用材料

楮和紙、中性紙、麻ひも、麻糸、麻ダック、アクリル絵の具、木綿の生地、生麩糊、メチルセルロース、柔のり、ニュートラルpHボンド

 

修復 : 安藤喜久代